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24:君は愛を知らない(5)

2016年09月14日 22:45



         -------  私達もう逢うのやめよう。





その日の夜

私の想いを綴った手紙をヒロに渡し別れを告げた。




ヒロは差し出した手紙に一度も目を通す事無く
目の前でビリビリに引き裂くと
畳の上に投げつけた。




「こんなもん読めるかよっ!!俺は絶対、こんなもん読まねーぞっ!!」




「一生懸命書いたのに破り捨てるなんて、あんまりだよっ!」




「別れるなんて言うからだろ?! 俺は絶対に別れない! 別れたくない!!」





「言っている事が、おかしいよ!
それなら今すぐ彼女を取るか、私を取るか選んでよっ!」




選んでほしくて言ったんじゃない。
終わりにしたかった。
だって彼が私を選べないというのを
私は分かっていたから。
答えを迫る私に対し何も言い返せなくなかったヒロは
泣きながら床に膝まづき土下座する
お願いだから別れないでほしい、って。
側に居てほしい、って。
大粒の涙をボロボロ零しながら
何度も畳の上に頭をこすりつけた。





この人は私の事を好きでもなんじゃない。
ただ繋ぎとめたいだけ。
それだけの為に涙を流している。
土下座し
泣きつづけるヒロを私は冷めた目で見ていた。






自分では気付かなっただけで

きっともっと前から

もっと早い時期から前兆はあったんだと思う。

この頃から

体調に異変が出始める。



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