高校生ともなると彼氏がいてもいい年齢だ。
両親は異常な程、 神経質になっていた。
それから母は何かにつけて
「お父さん」という言葉で私を制圧し縛り付けた。
お父さんに知られたら
お父さんに怒られるから
お父さんがこう言うから
お父さんが・・
お父さんが
お父さんが・・・
お父さんという言葉を口にしては
最後に必ず
我慢しなさい!言う通りにしなさい!言う事を聞きなさい!という言葉を付けた。
私は自分の考えや感情
意思というものを持つ事すら許されなった。
両親と言う存在に全て奪いとられた。
気が狂いそうだった。
どうにかなりそうだった。
両手で自分の髪の毛を鷲づかみにすると
力一杯、髪の毛を引き抜いた。
自分の髪の毛を掻きむしっては
何度も、何度も、掴みあげ一気に引き抜いた。
どこにも逃げ場がなく
捌け口のない私は
自分を痛みつける事で発散するしかなかった。