どんなに努力をしても
男じゃない!
その一言で否定される。
認められない、望まれなかった子。
暴力を受け、勉強、勉強、と縛られる日々。
窮屈でたまらない毎日から逃れるかの様に
アキラは中学生の頃から
サイトで出会った男と大人の関係を持っていた。
この頃、アキラはサイトで知り合った
三十半ばの男と付き合っていたが
彼と付き合いながらも他の男とも寝ていた。
皆サイトで知り合った男達。
来る者拒まず。
欲求を満たすためだけに言い寄って来る男共と
次々と関係を持っていた事もあり
アキラの周囲には常に複数の男の影がチラついていた。
何不自由ない裕福な環境で育ったアキラ
貧しい環境で育った私
全く異なる環境ではあったが
暴力の支配下に置かれた私達が持っている
「闇」は同じものであった。
ただ私は表向きは
親しみやすく面白い子を演じていたが
物凄く用心深く、人を信じない
他人に自分の中に入り込まれるのが苦手であり
人に詮索される事を極端に嫌った。
それが誰であったとしても必ず一線をおいて付き合っていた。
だがアキラは違う。
才能に優れているのに、こういう面で不器用な人間であった。