それが自分を傷つける行為であったとしても
その苦しみや痛みが大きければ大きいほど
自分を痛みつける事で
あの家から解放された。
両親が最も嫌がる行為事をする事で
復讐を成し遂げられているような気がしたからだ。
両親を目にする度に
お前達が一番嫌がる汚らしい事を今からしてやる!と思った。
薫に逢った時は
お前が私を性欲の捌け口に利用しているのと同じ。
私にとっても、お前はただの道具。
お前は私にとって両親に対する復讐の道具だ!
心の中で罵った。
だが一番、滑稽かつ無様であったのは、
私が散々心の中で罵り
嘲笑い続けた薫でも両親でもない。
私自身であったのだ。
何て愚かな女なのだろう。
そんな下らない事の為に、私は薫と逢い続けたのだ。
何も見えてなかった。
何も考えてなかった。
なんて愚かなのだろう。
そんな無意味な事のために
その為だけに私は一生消える事がない罪を犯した。
今もなお消える事がない
あの出来事。
そんな私は今も能々と生きている。
当たり前のように生きている。
何食わぬ顔で酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出し
ただ意味もなく生きている。
意味もなく生きてるのだ。